薬剤師国家試験 平成27年度 第100回 - 一般 理論問題 - 問 101
有機化合物1〜5がそれぞれ100 mg溶解しているジエチルエーテル(エーテル)溶液100 mLについて、エーテルと同体積の各水溶液を用いて、分液ロートによる以下の抽出操作を行った。主としてエーテル層Aに含まれる有機化合物はどれか。1つ選べ。

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解答 5
選択肢にある構造式は、1:安息香酸、2:フェノール、3:エチレングリコール、4:アニリン、5:ジフェニルアミンである。
抽出操作は、
①飽和NaHCO3水溶液を用いる分液操作、
②2 mol/L NaOH水溶液を用いる分液操作、
③2 mol/L 塩酸を用いる分液操作で行われている。
各操作で、水層とエーテル層に移行する物質を以下に示す。
①飽和 NaHCO3水溶液(弱アルカリ性の水溶液)による分液操作
弱アルカリ性水溶液中
イオン形で存在:安息香酸
分子形で存在:フェノール、エチレングリコール、アニリン、ジフェニルアミン
水層:イオン形で存在する安息香酸、分子形でも水溶性が高いエチレングリコール
エーテル層:分子形で存在するフェノール、アニリン、ジフェニルアミン
②2mol/L NaOH水溶液(強アルカリ性の水溶液)による分液操作
強アルカリ性水溶液中
イオン形で存在:フェノール
分子形で存在:アニリン、ジフェニルアミン
水層:イオン形で存在するフェノール
エーテル層:分子形で存在するアニリン、ジフェニルアミン
③2mol/L塩酸(強酸性水溶液)を用いる分液操作
イオン形で存在:アニリン
分子形で存在:ジフェニルアミン
水層:イオン形で存在するアニリン
エーテル層:分子形で存在するジフェニルアミン
上記の結果より、エーテル層Aに含まれる有機化合物は、ジフェニルアミン(選択肢 5)である。
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