薬剤師国家試験平成29年度第102回 - 一般理論問題 - 問 124

以下の表における観察集団（1）及び観察集団（2）の人口統計についての記述のうち、正しいのはどれか。２つ選べ。

１　粗死亡率は、観察集団（1）より観察集団（2）の方が高い。
２　老年人口割合は、観察集団（1）より観察集団（2）の方が高い。
３　65歳以上死亡数の死亡総数に対する割合は、観察集団（1）より観察集団（2）の方が低い。
４　基準集団の人口構成を用いた年齢調整死亡率は、観察集団（1）では41より小さな値になる。
５　基準集団の人口構成を用いた年齢調整死亡率は、観察集団（1）より観察集団（2）の方が高い値を示す。

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解答　２、４

１　誤
粗死亡率とは、年間の死亡数を総人口で割った値であり、通常人口1,000人あたりで表す。

上表の値より、観察集団（1）及び観察集団（2）の粗死亡率は次のように計算できる。

したがって、観察集団（1）及び観察集団（2）の粗死亡率は同じである。

２　正
老年人口割合は、老年人口の総人口（年齢3区分別人口）に対する割合である。

上表の値より、観察集団（1）と観察集団（2）の老年人口割合は、次のように計算できる。

したがって、老年人口の割合は、観察集団（1）より観察集団（2）の方が高い。

３　誤
65歳以上死亡数の死亡総数に対する割合は次式で求められる。

上表の値より、観察集団（1）と観察集団（2）の65歳以上死亡数の死亡総数に対する割合は、次のように計算できる。

したがって、65歳以上死亡数の死亡総数に対する割合は、観察集団（1）より観察集団（2）の方が高い。

４　正
年齢構成に差がある集団の死亡率を比較する場合、一般に、高齢者が多い集団では死亡率が高くなり、若年者が多い集団では死亡率が低くなる傾向がある。年齢構成に差がある集団の死亡状況を比較できるように、年齢構成を調整し統一させた死亡率を年齢調整死亡率という。以下に年齢調整死亡率の求め方を示す。

上表の値より観察集団（1）の年齢調整死亡率は次のように計算できる。

したがって、観察集団（1）の年齢調整死亡率は33であり、41よりも小さい値となる。

５　誤
年齢調整死亡率の式（解説４参照）を用いて、上表の値より観察集団（2）の年齢調整死亡率を求めると以下のようになる。

よって、観察集団（2）の年齢調整死亡率は、29である。観察集団（1）の年齢調整死亡率は、33であるため（解説４参照）、年齢調整死亡率は、観察集団（1）より観察集団（2）の方が低い値を示す。