薬剤師国家試験 平成31年度 第104回 - 一般 理論問題 - 問 184
副鼻腔炎の病態及び治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 急性副鼻腔炎は、上気道炎に続いて起こることが多い。
2 急性副鼻腔炎の起因菌は、黄色ブドウ球菌が最も多い。
3 慢性副鼻腔炎は、急性副鼻腔炎の症状が遷延して3週間以上続く状態をいう。
4 慢性副鼻腔炎の症状として、嗅覚障害、頰部痛及び頭痛がある。
5 慢性副鼻腔炎の治療として、ニューキノロン系抗菌薬の少量長期投与が有効である。
REC講師による詳細解説! 解説を表示
-
解答 1、4
1 正
急性副鼻腔炎は、そのほとんどが急性鼻炎をはじめとした上気道炎に引き続いて生じる。
2 誤
急性副鼻腔炎の起因菌としては、肺炎球菌やインフルエンザ桿菌などが多い。
3 誤
慢性副鼻腔炎は、鼻閉、鼻濡、顔面痛、嗅覚障害などの症状が12週以上完全消失しない状態をいう。
4 正
慢性副鼻腔炎では、副鼻腔内に慢性的な炎症を伴うことにより、鼻閉、後鼻濡、頬部痛及び頭痛などの症状を認める。
5 誤
慢性副鼻腔炎の薬物療法としては、マクロライド系抗菌薬の長期投与が一般的とされており、これに粘液線毛機能改善薬、消炎酵素薬、漢方薬などが組み合わされる。
なお、マクロライド系抗菌薬は気道上皮細胞や鼻腺細胞のイオンチャネルに作用し水分の分泌を抑制し、また腺細胞や杯細胞からのムチン産生を抑制することで、気道の病的分泌を調整する作用がある。また、炎症局所における上皮細胞や浸潤細胞からのサイトカインや接着分子の産生を調節する作用があり、それにより好中球を始め炎症細胞の集積を抑制し、そこから生理活性物質やスーパーオキサイドが産生されるのを抑制し、炎症を軽快させることが考えられている。
- この過去問解説ページの評価をお願いします!
-
評価を投稿