薬剤師国家試験 平成24年度 第97回 - 一般 理論問題 - 問 112
消化器系に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
1 胃では、胃底腺の主細胞がトリプシノーゲンを分泌することにより、タンパク質の消化が行われる。
2 回腸では、膵液と腸液や胆汁の作用によって、三大栄養素すべての消化が行われる。
3 消化された栄養素は、主として空腸と結腸の上皮細胞から吸収される。
4 脂質は、吸収された後にキロミクロンとなり、主に門脈から肝臓を経て全身へ送られる。
5 消化管の運動や腺分泌は、副交感神経刺激によって亢進する。
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解答 5
1 誤
胃では、胃底腺の主細胞から分泌されたペプシノーゲンが胃酸によりペプシンに変換されタンパク質の消化を行う。なお、トリプシノーゲンは、タンパク分解酵素であるトリプシンの前駆体であり、膵液中に含まれる。
2 誤
小腸は十二指腸、空腸、回腸で構成されている。十二指腸および空腸では、膵液と腸液や胆汁の作用によって、三大栄養素(糖質、脂質、タンパク質)すべての消化が行われるが、膵液や胆汁の作用が及ばない回腸では、三大栄養素すべての消化は行われない。
3 誤
消化された栄養素のほとんどは、絨毛が発達している小腸上部(十二指腸、空腸)の上皮細胞から吸収される。なお、結腸は大腸の一部であり、主に水分の吸収を行っている。
4 誤
小腸の上皮細胞から吸収された脂質は、キロミクロンとして主にリンパ管に移行する。リンパ管に移行したキロミクロンは、胸管を経て左鎖骨下静脈から循環血を介して、全身へ送られる。
5 正
消化管の運動や腺分泌は、副交感神経刺激により亢進する。
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