薬剤師国家試験 平成24年度 第97回 - 一般 理論問題 - 問 137
生物濃縮に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 環境汚染物質だけでなく、栄養物質にも見られることがある。
2 生物濃縮の程度は、化学物質の性質のうち蓄積性よりも難分解性に依存する。
3 1−オクタノール/水間の分配係数は、濃縮係数と正の相関を示す。
4 濃縮係数は、化学物質の環境中濃度に対する生体内濃度の百分率で表される。
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解答 1、3
生物濃縮とは、生物が外界から取り込んだ物質を環境中よりも生体内に高い濃度で蓄積する現象である。
1 正
環境汚染物質だけでなく、生体が必要とする栄養物質(窒素やリンなど)においても生物濃縮を起こすことがある。
2 誤
難分解性の物質であっても、体外へ排泄されやすいものは、生物濃縮を起こしにくい。よって、生物濃縮の程度は、化学物質の性質のうち難分解性よりも蓄積性に依存する。
3 正
分配係数は脂溶性の程度を表す指標であり、一般的に、分配係数が大きいものは脂溶性が高く、体内に蓄積しやすい。よって、分配係数と濃縮係数は正の相関を示す。
4 誤
濃縮係数とは、生物濃縮の程度を表すものであり、次式で表される。
濃縮係数は、化学物質の環境中濃度に対する生体内濃度の百分率ではなく、両者の比で表される。
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