薬剤師国家試験 平成25年度 第98回 - 一般 理論問題 - 問 163
副腎皮質ホルモンとそれに関連する薬物に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
1 メチラポンは、11β-ヒドロキシラーゼ(CYP11B1)の阻害によりコルチゾール産生を抑制する。
2 リシノプリルは、アンギオテンシンⅡの産生阻害により、副腎皮質におけるアルドステロン分泌を抑制する。
3 ヒドロコルチゾンは、細胞内に存在する受容体と複合体を形成し、標的遺伝子に結合することで遺伝子発現を変化させる。
4 デキサメタゾンは、コルチゾールに比べて、糖質コルチコイド作用は強いが、鉱質コルチコイド作用は弱い。
5 エプレレノンは、糖質コルチコイド受容体の遮断により利尿作用を示す。
- REC講師による詳細解説! 解説を表示
-
解答 5
1 正しい
メチラポンは、ステロイドホルモンの生合成過程において11β-ヒドロキシラーゼ(CYP11B1)を阻害し、コルチゾール(ヒドロコルチゾン)産生を抑制する。血中コルチゾール濃度が低下することにより、脳下垂体前葉の機能が正常であれば副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)分泌が亢進するため、下垂体ACTH分泌能検査に用いられる。
2 正しい
リシノプリルは、アンギオテンシンⅡ(AngⅡ)変換酵素阻害薬であり、AngⅡの産生を阻害することにより、AngⅡによる副腎皮質からのアルドステロン分泌を抑制する。
3 正しい
ヒドロコルチゾンは、ステロイドホルモンであり、細胞内に存在するステロイドホルモンの受容体と複合体を形成し、核内に移行して特定の遺伝子発現を調節する。
4 正しい
デキサメタゾンは、合成糖質コルチコイド製剤であり、天然糖質コルチコイドであるコルチゾールと比較し、糖質コルチコイド作用は強いが、鉱質コルチコイド作用は弱い。
5 誤っている
エプレレノンは、鉱質コルチコイド(アルドステロン)受容体を選択的に遮断することにより、アルドステロンによる腎でのNa+再吸収を抑制し利尿作用を示す。
- この過去問解説ページの評価をお願いします!
-
評価を投稿