薬剤師国家試験 平成26年度 第99回 - 一般 理論問題 - 問 127
下表は、喫煙と疾病罹患の要因対照研究の結果を示したものである。この結果に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、交絡因子、喫煙中断者、追跡不能者はないものと仮定する。
1 相対危険度が最も高い疾病は慢性気管支炎である。
2 寄与危険度が最も高い疾病は虚血性心疾患である。
3 オッズ比が最も高い疾病は肝硬変である。
4 喫煙と疾病罹患の関連性が最も強い疾病は肺がんである。
5 喫煙をやめると、罹患しなくなると想定される人数が最も多い疾病は肺がんである。
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解答 2、4
要因対照研究では、相対危険度(要因が疾病の発生に作用する大きさを表す:暴露群の罹患率÷非暴露群の罹患率)および寄与危険度(集団への影響の大きさを表す:暴露群の罹患率-非暴露群の罹患率)を算出することができる。
1 誤
それぞれの疾患の相対危険度を以下に示す。
肺がん:(414/10000)÷(115/10000)=3.6
慢性気管支炎:(153/10000)÷(85/10000)=1.8
虚血性心疾患:(1491/10000)÷(994/10000)=1.5
肝硬変:(30/10000)÷(25/10000)=1.2
上記より、相対危険度が最も高い疾患は肺がんである。
2 正
それぞれの疾患の寄与危険度を以下に示す。
肺がん:(414/10000)-(115/10000)=299/10000
慢性気管支炎:(153/10000)-(85/10000)=68/10000
虚血性心疾患:(1491/10000)-(994/10000)=497/10000
肝硬変:(30/10000)-(25/10000)=5/10000
上記より、相対危険度が最も高い疾患は虚血性心疾患である。
3 誤
オッズ比は相対危険度の近似値であるため、オッズ比の最も高い疾患は、相対危険度も最も高い。
相対危険度(オッズ比)の最も高い疾患は肺がんである。
4 正
要因と疾病の関連性の強さを判断する際、相対危険度を用いて評価を行う。よって、喫煙との関連性が最も強い疾患は、相対危険度が最も大きい肺がんである。
5 誤
要因をやめることで、疾患に罹患しなくなると想定される人数を比較するには、寄与危険度を比較する。よって、喫煙をやめると、罹患しなくなると想定される人数が最も多い疾病は虚血性心疾患である。
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