薬剤師国家試験 平成26年度 第99回 - 一般 実践問題 - 問 343
治療薬物モニタリング(TDM)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 タクロリムスは、血清試料を用いて測定する。
2 アミカシン硫酸塩は、血中濃度を一定に維持する投与方法が望ましい。
3 ジゴキシンを測定対象とした時の採血は、定常状態に達した後の追加投与前が望ましい。
4 血清バンコマイシン濃度が、ピーク値として60 µg/mL以上の時、有効治療域となる。
5 血清リチウム濃度のトラフ値が2.0 mEq/Lを超えたときは、減量・休薬が必要となる。
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解答 3、5
1 誤
シクロスポリンやタクロリムスは血球と血漿間の薬物分配が室内温度や放置時間により変動することがあるため、全血試料を用いて治療薬物モニタリングを行う。
2 誤
アミカシン硫酸塩の最低血中濃度(トラフ値)が一定濃度以上に維持されると、腎障害を起こしやすくなる。そのため、アミカシン硫酸塩を投与する際は、トラフ値を一定値以下に下げる投与方法が望ましい。
3 正
治療薬物モニタリングを行う際、薬物の採血は、定常状態到達後のトラフ値を示す時間に行うことが望ましい。よって、ジゴキシンを測定対象とした時の採血は、定常状態に達した後の追加投与前(トラフ値を示す時間)が望ましい。
4 誤
バンコマイシンの有効血中濃度は、ピーク値として25〜40 µg/mL、トラフ値として5〜10 µg/mLである。なお、血清バンコマイシン濃度が、ピーク値として60 µg/mL以上の時、副作用が発現する可能性が高くなる。
5 正
リチウムの有効血中濃度は、0.4〜1.2 mEq/Lである。このため、血清リチウム濃度のトラフ値が2.0 mEq/Lを超えたときは、過量投与による中毒を起こすことがあるため、減量・休薬が必要となる。
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