薬剤師国家試験 令和04年度 第107回 - 一般 理論問題 - 問 136

ある食品汚染物質の耐容一日摂取量（TDI）は、下図に示した動物試験の結果から得られた無毒性量（NOAEL）に、不確実係数100を適用して定められている。この食品汚染物質のTDI（µg/kg体重/日）として、適切な値はどれか。１つ選べ。



＊は、それぞれの対照群（投与量0 µg/kg体重/日）と比較して、統計的に有意な影響であることを示している。

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解答　１

耐容一日摂取量（TDI）は、ヒトが一生涯摂取し続けても健康に有害影響がないと考えられる1日当たり、体重1 kg当たりの摂取量であり、無毒性量（NOAEL）に不確実係数100を除して求めることができる。また、NOAELとは、複数の用量群を用いた毒性試験において有害影響が認められなかった最大投与量のことであり、複数の毒性試験で得られた値のうち最小値が用いられる。よって、各毒性試験において有害影響が認められなかった最大投与量は、マウスを用いた慢性毒性試験では100（µg/kg体重/日）、ラットを用いた慢性毒性試験では1000（µg/kg体重/日）、ウサギを用いた発生毒性試験では600（µg/kg体重/日）となるため、最小の値である100（µg/kg体重/日）がNOAELとなる。

したがって、



に、NOAEL＝100（µg/kg体重/日）を代入すると、



TDI＝1（µg/kg体重/日）となる。

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