薬剤師国家試験 平成26年度 第99回 - 一般 理論問題 - 問 115
図はミトコンドリア及びその一部を拡大した模式図である。ミトコンドリアの部位①〜④に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 細胞質でつくられたNADHは、①を通過できるが③は通過できない。
2 クエン酸回路に関わる酵素は、主に②に存在する。
3 電子伝達系(呼吸鎖)の構成成分であるユビキノン(補酵素Q、CoQ)は、主に③に存在する。
4 NADHに由来する電子が電子伝達系を移動するとき、④におけるH+(プロトン)の濃度は②よりも高くなる。
5 電子伝達系に共役する酸化的リン酸化によって、ATPが②で生成される。
- REC講師による詳細解説! 解説を表示
-
解答 1、3
図の①〜④はそれぞれ①ミトコンドリア外膜、②膜間腔、③ミトコンドリア内膜(クリステ)、④ミトコンドリアマトリックスである。
1 正
ミトコンドリア外膜(①)は分子量5000以下の低分子を比較的自由に透過させるが、ミトコンドリア内膜(③)は膜透過に関する選択性が高い。細胞質でつくられたNADHは、ミトコンドリア外膜(①)を通過できるがミトコンドリア内膜(③)は通過できない。
2 誤
クエン酸回路に関わる酵素は、主にミトコンドリアマトリックス(④)に存在する。
3 正
ユビキノンは電子伝達系の構成成分の一つであり、ミトコンドリア内膜(③)に存在し、脂質二重層の疎水性部分を自由に移動する。
4 誤
NADHに由来する電子が電子伝達系を移動するとき、H+はミトコンドリアマトリックス(④)側から膜間腔(②)側に汲み出される。よって、H+の濃度はミトコンドリアマトリックス(④)よりも膜間腔(②)の方が高くなる。
5 誤
酸化的リン酸化によるATPは、ミトコンドリア内膜(③)に存在するATP合成酵素によって生成される。
- この過去問解説ページの評価をお願いします!
-
評価を投稿