薬剤師国家試験 平成26年度 第99回 - 一般 理論問題 - 問 172
薬物A、B、C、Dを同じ投与量で急速静脈内投与したところ、下図のような血漿中濃度推移が得られた。これらの薬物の体内動態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 これらの薬物の中で、最も全身クリアランスが大きいのは薬物Aである。
2 薬物Bと薬物Cの直線の傾きは、平行関係にあるので、分布容積が等しい。
3 薬物Bと薬物Dは、縦軸の切片が等しいので、分布容積が等しい。
4 薬物Cは薬物Dと比較して、分布容積は小さいが消失速度定数は大きい。
5 これらの薬物の中で、消失速度定数が最も大きいのは薬物Dである。
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解答 3、5
血漿中濃度の対数値(lnC)を時間(t)に対してプロットすると、そのグラフの縦軸切片は初濃度の対数値(lnC0)となり、傾きは消失速度定数の負の値(-ke)となる。
これらのことから、グラフの傾きが大きいと、keが大きく、切片が大きいとC0が大きいことがわかる。また、C0は投与量(D)/分布容積(Vd)であることから、Dが同じ場合、C0が大きいほど、Vdが小さいことがわかる。
1 誤
薬物Aは縦軸切片が最も高いため、Vdが最も小さく、また、傾きも最も小さいことから、keも最も小さい。よって、薬物Aの全身クリアランス(ke・Vd)は最も小さい。
2 誤
薬物Bと薬物Cの直線の傾きが等しく、縦軸切片が異なることから、keは等しいが、Vdは異なる。
3 正
4 誤
薬物Cと薬物Dの直線を比較すると、薬物Cの直線では、縦軸切片及び傾きが小さい。そのため、薬物Dに比べ、薬物CのVdは大きいが、keは小さい。
5 正
A〜Dの薬物の中で、薬物Dの直線の傾きが最も大きい。そのため、これらの薬物の中で、消失速度定数が最も大きいのが薬物Dであるといえる。
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