薬剤師国家試験 平成26年度 第99回 - 一般 実践問題 - 問 292,293
54歳男性。検査の結果、アジソン病の確定診断を受け、経口ホルモン補充療法が施行されることとなった。
問292(病態・薬物治療)
アジソン病の典型的な所見はどれか。2つ選べ。
1 低血圧
2 血清カリウム値の低下
3 色素沈着
4 体重増加
5 好酸球減少
問293(実務)
アジソン病に対する副腎皮質ホルモン補充の薬物投与設計として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
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問292 解答 1、3
アジソン病は、後天性の慢性副腎皮質機能低下症であり、副腎からの鉱質コルチコイド、糖質コルチコイド、副腎性男性ホルモンの分泌が低下し、負のフィードバック機構の低下することでACTHの分泌が増加する。これらのことから、鉱質コルチコイドの低下により、「低ナトリウム血症、低血圧、高カリウム血症」、糖質コルチコイドの低下により、「全身倦怠感、易疲労感、体重減少、好中球増加」、副腎性男性ホルモンの低下により「無月経、脱毛」、ACTHの増加により「皮膚色素沈着」が認められる。
問293 解答 2
一般にアジソン病の治療は、天然の糖質コルチコイドであるヒドロコルチゾンの補充が基本であり、鉱質コルチコイドの補充は必要しない。正常な体内でのヒドロコルチゾンの分泌量は早朝に最大となるため、ヒドロコルチゾンは、通常、朝に多量投与し、その半量を昼食後および夕食後に投与する。なお、ヒドロコルチゾンの投与より、症状が改善しない場合には、強い鉱質コルチコイド作用を有するフルドロコルチゾン酢酸エステルを併用することがある。
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